平成10年度 「既存ストック活用等による交通基盤の効率的な高速化等方策に関する調査」の概要

 

調査の背景

(1)在来線高速化

 新しい全総計画では、高速鉄道網を国土の骨格を形成する基幹的な交通基盤として位置づけており、今後、投資余力の減少が予想される中で、既存ストックの有効活用の必要性が強調されている。

 在来線高速化事業については、鉄道事業者と地方自治体とでは事業の便益の内容が異なる。そのため、事業者側の投資意欲が薄い場合でも、地域振興の観点から、地方自治体が主体となって事業を推進して実施することにより、地域の社会経済にとって大きな効果をもたらす場合が多い。

(2)新駅設置

 在来線の新駅設置は、新駅周辺の交通ポテンシャルを大きく向上させ、地域への利便性向上や活性化等に大きく貢献している。また、区画整理等の面開発と合わせて整備することにより、新たなまちづくりの整備が図られる。

 

調査の概要

(1)在来線高速化

 在来線高速化事業は、現在ではJR単独の施策ではなく、地方自治体が事業推進に深く係わっている。そのため、JRの自己資金の事業を除けば、国・地方自治体・JR・民間における費用負担割合の決定が、事業推進において重要な条件となることが明らかになった。つまり、事業成立の要件としては、「国が助成する場合にJRがどれだけ負担するか」ということと「自治体が単独で助成する場合にはどのようにして民間資金を確保するか」等が大きなポイントとなる。

 今回調査では、JR発足後実施された高速化事業について行ったアンケート調査結果により事業手法、費用負担割合等を整理し、ヒアリングによりまとめた事例紹介により事業の目的、背景、事業費及び費用負担割合、整備効果等を具体的に示した。

(2)新駅設置

 新駅設置のプロセスを明らかにし、自治体と鉄道事業者を中心とした関係機関との調整時の問題点を整理した。また事例紹介により、事業の目的、背景、費用負担割合等を示し、新駅設置事業における問題点やその解決事例を示した。

 

 

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